■SDGs 森の国循環MAP
みんなの遊びが森を育てる。森の国はゲストの皆さんと持続可能でより良い世界を目指しています。


【A】木を間伐して遊具に利用・・・
アスレチックの遊具の多くは自然の木から作っています。樹種は杉やヒノキといった針葉樹。まずは、どの木を間伐するか?密度の高いエリアから「間引く」木を選定します。これにより太陽光を取り合って成長が阻害されていた木が光をしっかり浴びることができるようになり、また大きくなります。

チェンソーを使い伐採します。倒す方向を検討し、目標方向に倒れるよう、切り口を調整したり、ワイヤーでひっぱいながら倒すことも。

倒した後は、4mの長さに刻んで運び出します。森の中は機械が入らずワイヤーや滑車を使い工夫しながら運び出すことも。そのように作業場まで運搬します。そのあと、ナタなどを使い、手作業で木の皮をはぎとります。これは虫が木の幹と皮の間に巣を作り、材木を食い荒らすことがあるからです。皮をはいで初めて遊具の材料になります。

【B】木製遊具は約5年で交換し薪に・・・
自然の木で作った遊具は日当たりが悪い場所で3〜5年、日当たりと風通しが良いところでも6,7年ぐらいで腐食します。全部で数千本の材木を使用しているアスレチックの森。毎週のように遊具を点検します。目視やハンマーで叩いたときの音の具合など、経験を総動員し、いろいろな方法で点検を行います。たとえば昆虫コース7番「アリジゴク脱出」に使われている板は600枚。全て形が異なります。腐れが進行している場合は、その板を取り外し、その場で同じ形の板を作ってはめます。

役目を終えた材木は、取り外した後、「玉切り」と言って、チェンソーを使い約30cmの長さに輪切りにし、薪割り機を使って太さ5cm〜8cm程度の薪にします。ただし、このままでは水分を含んでいるので使えません。薪として利用可能になるまでには、約1年間かけて乾燥させます。薪棚の区画ごとに、薪を割った日時を貼って保管します。

【C】新たな植林や苗作り・・・
遊具の材料となる針葉樹(杉やヒノキ)の植林は数十年に一度特定の場所にまとめて行います。苗木を等間隔で植林し、計画的な造成を行います。一方で、アスレチックの森など自然で健康な森作りのために、クヌギやコナラなどの広葉樹をどんぐりから集めて育て植林します。エリアを決めるわけでなく、育ちやすそうな場所に植林したりどんぐりを埋設します。


【D】薪の活用後に出る灰の一部は畑の肥料へ
灰はカリウムやリン酸といった植物にとって重要なミネラルを豊富に含んでいます。通常なら廃棄するものですが、森の国では、畑にすきこむなどの土作りのために用いており、それはつまり樹木の育った敷地内の大地に還元するということです。

【E】間伐材の一部はしいたけのホダ木に・・・
どんな木でもキノコの育成に適しているわけではありません。樹種によってキノコ菌と相性があります。クヌギやコナラといった木はしいたけ用に、サクラはなめこ用にとっておき、それ以外の広葉樹は薪にします。原木しいたけ収穫の体験教室に役立てたり、収穫したしいたけを乾燥保存し、こども自然体験合宿や修学旅行のこどもたちの炊き込みご飯の食事などに活用したりします。

【F】薪の燃え残りをリユース…
主にキャンプで使い切れなかった、まだ使える薪や消し炭を”リサイクルBOX”で回収し、カレー作りやピザ作りといった体験教室のの焚き付け用の薪として無駄なく最後まで利用する取り組みです。


【G】竹林や雑木林の維持管理による生態系の保全
風雪や害虫により倒れた木や竹を除去することで、適度に太陽光の入る風通しの良い森や竹林が維持されます。ゲストの皆さまに利用していただくことが、健康な森の維持管理にもつながっています。

H】ビオトープ作りで湿地を管理し生物・植生の保護
メダカ・ゲンゴロウ・モリアオガエル・ヒメホタルなど希少な水辺の生き物がいきいきと暮らしています。それらを目当てに水辺には野鳥の姿もよく見られます。そんな里山や水辺を将来に残す環境づくりを続けています。ビオトープは森の国から1.5kmの閑静な農村のはずれにあり、里山サイクリングやホタルウォッチング、「田んぼビオトープと水路探検」で訪れることができます。

【I】太陽光発電
暑い日が続くようになる中、日差しを敵ではなく味方にできるようにできないかとの検討の末、2022年に導入。晴れた日は自家消費分をほぼ自家発電でまかなうことができます。弱点は冬です。雪が積もるたびに屋上に出てパネルの雪を取り除く作業を行い、少しでも発電できるよう管理しています。

【J】残飯の一部はコンポストで分解し土作り
レストランで出る野菜くずや残飯を生ゴミとして処理するのではなく、ほぼ全てをコンポスト分解し、畑などの肥料にすることを目標に実践しています。レストランで食器を返却いただく際に、残さないことが一番ですが、もし残り物があれば、紙くずなどといっしょにせず、お皿の上で、わけて返却いただくと、皿洗いの前に残飯の仕分けがしやすいです。夏野菜やシソや大葉、エゴマなどの葉物がよく育ちます。今後はクリや柿などの果樹畑にも広げたいと思います。

【K】使い捨て食器類の削減・プラスチック商品の削減
レストランでは、洗い作業の軽減にために使い捨て食器を導入しがちです。手間ではあり、ある意味ではコストが余分にかかるやり方かもしれませんが、なるべく資源を消費しないように取り組みを進めています。近年では、カキ氷のスプーンストローの使い捨てをやめるなど皆様にもご理解とご協力をお願いしています。
また、レストランから出る廃油は廃棄するのではなく、近隣の共同作業所(社会福祉法人)さんと連携してバイオ燃料にして再活用します。